私の歴史観
一代目が志を持って己の命を代償に、近代国家の日本を創る。
二代目は一代目のささやかな財産を食いつぶし、視野狭窄的暴走をする。
三代目は二代目を嫌悪し、他国に憧憬する。
四代目は三代目の卑屈さを拒絶し、一代目のidentityを獲得しようとする。
(私の世代)
五代目は・・・
こうして歴史観の均衡が保たれるわけだ。
彼は、幼少の頃より家庭の事情で祖母に厳しく育てられた。
広瀬は八代六郎の紹介で柔道をを始める。
同門に財部彪なる男がいた。
彼に山本権兵衛少将の娘との縁談が持ち上がった。
彼は、悩んだ。
山本の娘を貰ったとあれば、義父の力で出世したの陰口を叩かれてしまう・・・
広瀬は、俺が話をつけるといい、山本へ訪れその旨を率直に話す。
山本は、えこひいきなどなどせぬ、と答えたが、
面意識のない若い仕官が突然訪れる彼の行動力を気に入った。
山本は、成績が低いにもかかわらず、ロシアへの留学生に大抜擢する。
広瀬はロシアで軍人のコバァレフスキー家と学者のぺテルセン家と家族ぐるみのつきあいをする。
そこではそれぞれ娘がおり、二人に慕われた。
彼は、コヴァレフスキー家の娘アリアズナを選び恋に落ちる。
しかし広瀬はやがて帰国する。
馬ぞりによるシベリヤの単独横断という凄まじい帰国だった。
後に広瀬は、第二次旅順口閉塞作戦において、姿の見えない部下を捜すため殉職する。
ちなみにその作戦を考え出したのは親友の秋山真之だった。