泣ける話2


自分が小学5〜6年生の頃の話ですが
当時の親父がダメダメの多重債務者で、怖い借金取りがしょっちゅう家に来てました。
母は朝から晩まで勤めに出てたので当然ガキの自分が応対し、大声で怒鳴られたり小突かれたりしてたんですが、近所の人も親父が借金踏み倒してたんで誰も助けてはくれませんでした。
そうこうしてとある日、小学生の自分でもそれとわかるものすごい迫力の人が尋ねてきて、
「おぅボクー お父ちゃんおるかー?」とずかずかと家に乗り込んできました。
親父は数日前から帰っておらず、絵に描いたような貧乏アパートで半べそかいてひもじそうな自分を見て同情してくれたのでしょう、「ごはん食べたか? おっちゃんがなんかおごったろ」 と黒塗りのでかい車に乗せてハンバーグ(いまだに忘れません)を食べに連れて行ってくれました。
そうして家に戻ると、いつも見る取立ての人が玄関の上がり口にどっかりと腰をおろしており、またいつものように「コラガキ*@§☆」とまくし始めたのです。
そこにド迫力のおじさん登場、「ゴルァおんどれー 子供になにぬかしとんじゃ ワシは○○会の☆☆ゆうもんや、ワシに同じことゆうてみい!」とその取立人を追い返してくれました。帰り際にその人は、「また同じような奴が来たら、これ見せたらええわ」と大きな名刺をくれて去っていきまた。
その後その名刺がたびたび威力を発揮し、取立てが止んだのは言うまでもなく、
しばらくして親父と離婚した母とその町を出ました。

あのおじさんにはその後会うことは無かったんですが、子供だった自分にはヒーローでパンチパーマの神様でした。