夜に働くおんなたち

以前いきつけのスナックかあった。
そこのママは、やり手で2店舗を経営していた。

聞けば彼女は以前、洋裁の仕事をしてたらしい。
離婚後この世界に入り、そこのママに腕を見込まれお店を譲り受けたという。
経営が上手なのだろう、さらにいい箱(店舗)が見つかったということで更に店を出した。
浮き沈みの激しいこの世界で2店舗を経営することは、すごいことだ。


彼女はいう、
「いつか、お店を人に任せて小料理屋を持ちたいのよね。」




カウンターで飲んでいると奥で団体客が騒いでいる。
小声で私に言う。
「毎週金曜に来るのよ。
 あの客嫌い。
 でも仕方がないのよねぇ
 お店のためには・・・」

「ちょっとぉ、オレも客だよ。」

「○○ちゃん(私)だからいうのよぉ」

見事な殺し文句だ。



また、こんなことも言っていた。
「客なんてヤレると思うからきてるのよぉ」




やがて彼女は、小料理屋の店を持った。
夢を叶えたのだ。
何度かその店に行ったことがある。

しかし、やがて私は体を壊し、足が遠のいてしまった。


やり手のママのことだ。
いまでもがんばっているのだろう。








追記
現在その店はたたんで、またスナックを始めた。
飲酒運転が厳しくなり客がさっぱりになったとのこと。

地元の客にターゲットを絞ったらしい。



忙しくてしばらく飲みに行けそうにないよ。


ママ、ゴメン。